2017/7/6

TOPICS
「第1回 日本-オーストリア砂防技術会議」開催される


「第1回 日本-オーストリア砂防技術会議」
2017年5月18日

日本とオーストリア両国による初めての砂防技術会議がウィーンで開催されました。
会議に先立ち国土交通省砂防部とオーストリア連邦政府農林・環境・水資源省林務局との間で土砂災害リスクマネジメント分野における協力覚書(以下「MoC」という。)の署名式が執り行われ、以下の事項が定められました。

・土石流、地すべり、斜面崩壊、雪崩など土砂災害等の危機管理分野における協力
・研修、会議、現地視察、並びに専門家の交換などによる協力の促進
・行政機関及び必要に応じた研究機関、大学、地方自治体、民間企業等の参加

 MoCの署名式に引き続き開催された「第1回日本-オーストリア砂防技術会議」には日本側6名、オーストリア側7名の技術者が参加して、両国からそれぞれ3編ずつ話題提供が行われました。
会議では、日本における土砂災害警戒区域の設定やハイドロフォンを用いた流砂観測について関心が寄せられました。また、オーストリア側からはハード・ソフト両面の対策について地域住民の積極的な関与を促し、円滑な合意形成や土砂災害対策の効率化を図る”Risk Governance”の取り組みが紹介されました。
さらに、日本側代表団は5月19から20日にかけてオーストリア側の案内により、グシュリーフグラーベン、ローレンツェン、ハルシュタット、シュピッツ等の土砂災害及び砂防工事に関する現地視察を行いました。
日本とオーストリアの間では、1900年代初頭にアメリゴ・ホフマン氏を東京帝国大学に招聘して以来、砂防技術の交流が行われています。今回のMoCの締結を契機に両国のさらなる交流の発展が期待されています。
     
MoCに署名する西山砂防部長(左)と
マンスバーガー林務局長(右)
会議の様子 ローレンツェン地区で2012年災害後に
整備された砂防施設